推拿整体

”しらさか推拿整体”ホームページの「推拿」及び「推拿整体」に関する記載内容を抜粋したものです。

推拿の手技について

推拿は、東洋医学の流れを汲む中国伝統医療の一つとして長い歴史を誇っています。
指圧、マッサージ、カイロプラクティックなど多くの整体施術の礎となっています。
ここでは、推拿の代表的手技について、簡潔に紹介しています。
実践面では、症状に対応する適切な手技選択とそれらの複合的な組み合わせで施術していきます。

按法(あんぽう)
指、手掌、肘などを使って、対象部位やツボを垂直に軽く抑える手技です。
内部組織の気血水の流れを良くし、痛みを和らげる効果があります。

圧法(あつほう)
指、手掌、肘などを使って、皮下深層軟部組織まで押して、持続的に圧力を加える手技です。刺激が強い手技であり、被施術者の反応を見ながら緩やかに圧力を強めるように垂直に押していきます。内部組織の気血水の流れを良くする、筋肉の痙攣を抑える、痛みと腫れを鎮める効果があります。

推法(すいほう)
指腹、手根、手掌などを使って、水平方向に、かつ、一方向に体表部を推していく手技です。上皮組織の血流を良くし、筋肉や腱をほぐす効果があります。

一指禅推法(いっしぜんすいほう)
親指の関節を屈伸させ、指先、指腹、偏峰を使い、対象部位やツボに連続してリズミカルに力を加える手技です。繰り返し動作によって、鋭い圧力を一点に浸透させることができ、鍼治療と同様の効果があります。

摩法(まほう)
指腹や手掌を使って、体表部で円を描きながら摩擦する手技です。
血流を良くし、瘀血を取り除き、痛みや腫れを鎮める効果があります。

拿法(なほう)
親指と人差し指&中指、または親指と四指を使って、皮膚軟部組織をつかむ(両側から押さえる)手技です。
血流やリンパの流れを良くし、筋肉の痙攣を抑える効果があります。

捏法(ねつほう)
親指と人差し指&中指、または親指と四指を使って、対象部位をはさみ、こねる手技です。気血の流れを促し、筋肉や腱をほぐし、痛みを和らげる効果があります。

揉法(じゅうほう)
指腹、手掌、手根、肘部などを使って、対象部位に圧力を加えて、時計回りまたは反時計回りに揉む手技です。内部組織に圧力を与えながら皮膚を動かすことによって、マッサージ効果が得られ、血流が良くなると共に筋肉群をほぐす効果があります。

擦法(さっぽう)
手掌や手根、指球を使って、対象部位を往復方向に動かして、摩擦熱を起こす手技です。体を温かくして気血の流れを促進する効果があります。内部組織に圧力を与えながら皮膚を動かすことによって、マッサージ効果が得られ、血流が良くなると共に筋肉群をほぐす効果があります。

振法(しんぽう)
主に腹部を治療対象に、手を小刻みに揺らして、振動させる手技です。
気血の流れを改善して、胃腸の動きを増進する効果があります。

叩打法(こうだほう)
軽く握った拳の側面、または両方の手掌を合わせた側面を使って、対象部位を叩く手技です。気血の流れを促し、疼痛を軽減し、靭帯や軟骨組織の動きを滑らかにする効果があります。

ばつ法(ばつほう)
親指の指腹、手根、肘などをリズミカルに動かし、筋肉の深層に達するように筋肉を弦のように弾く手技です。血流を良くし、瘀血を取り除き、筋肉の痙攣を抑える効果があります。

抖法(とうほう)
腕または脚を治療対象に、両手で被施術者の手または足をつかみ、引っ張りながら揺さぶる手技です。関節の周りの筋肉を伸ばし、関節部分の血流を良くする効果があります。

揺法(ようほう)
肩、股関節、足首、手首を治療対象に、関節を軸にして環状にまわす手技です。
関節の動きを滑らかにし、関節の痛みを和らげる効果があります。

屈伸法(くっしんほう)
肘、膝、股関節、足首、手首を治療対象に、関節を屈伸させる手技です。
関節の可動を円滑にし、関節組織内の血流を良くする効果があります。

牽引法(けんいんほう)
手、肩、頸部、足、脚を治療対象に、関節の一端を固定し、体幹から離れる方向へ引き伸ばし、関節の間隔を広げる手技です。関節の変位を矯正して関節の運動機能を回復し、痛みを止める効果があります。

扳法(ばんほう)
頸部、背部、腰部を治療対象に、両手を使って施術部を同方向に引きつけたり反対方向に引き伸ばしたりする矯正の手技です。関節の可動性を高める、筋肉の緊張を和らげる、体のバランスを整える効果があります。

<参考文献>
■「実用中国手技療法」基本編/臨床編
  著者:張軍 発行元/発売元:ガイアブックス/産調出版
■「推拿療法」おとなと子どもの治療の徹底マニュアル
  著者:ウエイジョン・サン、アルネ・カプナー 
  発行元/発売元:ガイアブックス/産調出版
■「スイナ式中国整体」
  著者:マリア・マーカティ  発行元/発売元:ガイアブックス/産調出版 他