推拿整体

”しらさか推拿整体”ホームページの「推拿」及び「推拿整体」に関する記載内容を抜粋したものです。

肩中兪(けんちゅうゆ)&肩外兪(けんがいゆ)

肩中兪は、第7頚椎棘突起と第1胸椎棘突起の間の位置から外側2寸のところにあり、肩外兪は、第1胸椎棘突起と第2胸椎棘突起の間の位置から外側3寸のところにあります。
どちらも、肩こりおよび背中上部の痛みなどの症状改善に効果を発揮します。

肩こりが顕著で肩全体が硬くなっている場合、指圧→肘圧にて力加減を考慮することならびに症状に応じて適度に施術を数回繰り返します。

天柱(てんちゅう)&風池(ふうち)

後頭骨と頚椎上部の境目にある窪んだ箇所が、“盆の窪”と呼ばれるところです。
天柱はここから左右にわずかに離れた位置にあり、風池はそこからさらに離れた位置にあります。

この2つのツボは、頭痛、目の痛み、首コリ、自律神経症といった首から頭部に関わる症状改善に高い効果を発揮します。
被施術者の反応を見ながら、盆の窪の位置から左右にポイントをずらしつつ、適度な力加減で親指で押していく施術を症状に応じて適度に数回繰り返します。
天柱と風池は、この箇所が極端に柔らかい緩い状態にある方を除き、施術ポイントとしています。

特にこの箇所が硬くなっている方には、不可欠な施術ポイントになります。

華佗夾脊(かだきょうせき)

背骨(第一胸椎~第五腰椎)の棘突起から両側に0.5寸(指寸)離れたところにある左右各々17穴のツボ群が“華佗夾脊”と呼ばれるものです。
これらツボ群に刺激を与えることで、様々な症状の緩和&改善に非常に高い効果を発揮します。
順次、ツボ群に肘圧を加えていくことが、推拿整体の様々な施術の中でも基本中の基本であり、主要手技の一つと考えています。

背骨のキワであり、背骨に当てることなく、かつ背骨から離れすぎず、正確にポイントを捉えることや被施術者の体格、体力、体調等を考慮した力加減ならびに身体の中心方向に力軸を保つことなど慎重に施術していくことが肝要であり、精神集中することが不可欠です。
また、すべての手技に通ずることですが、一定のリズムを奏でるように施術流れを円滑にすること。
これも整体施術において、大切な要素になります。

推拿の手技について

推拿は、東洋医学の流れを汲む中国伝統医療の一つとして長い歴史を誇っています。
指圧、マッサージ、カイロプラクティックなど多くの整体施術の礎となっています。
ここでは、推拿の代表的手技について、簡潔に紹介しています。
実践面では、症状に対応する適切な手技選択とそれらの複合的な組み合わせで施術していきます。

按法(あんぽう)
指、手掌、肘などを使って、対象部位やツボを垂直に軽く抑える手技です。
内部組織の気血水の流れを良くし、痛みを和らげる効果があります。

圧法(あつほう)
指、手掌、肘などを使って、皮下深層軟部組織まで押して、持続的に圧力を加える手技です。刺激が強い手技であり、被施術者の反応を見ながら緩やかに圧力を強めるように垂直に押していきます。内部組織の気血水の流れを良くする、筋肉の痙攣を抑える、痛みと腫れを鎮める効果があります。

推法(すいほう)
指腹、手根、手掌などを使って、水平方向に、かつ、一方向に体表部を推していく手技です。上皮組織の血流を良くし、筋肉や腱をほぐす効果があります。

一指禅推法(いっしぜんすいほう)
親指の関節を屈伸させ、指先、指腹、偏峰を使い、対象部位やツボに連続してリズミカルに力を加える手技です。繰り返し動作によって、鋭い圧力を一点に浸透させることができ、鍼治療と同様の効果があります。

摩法(まほう)
指腹や手掌を使って、体表部で円を描きながら摩擦する手技です。
血流を良くし、瘀血を取り除き、痛みや腫れを鎮める効果があります。

拿法(なほう)
親指と人差し指&中指、または親指と四指を使って、皮膚軟部組織をつかむ(両側から押さえる)手技です。
血流やリンパの流れを良くし、筋肉の痙攣を抑える効果があります。

捏法(ねつほう)
親指と人差し指&中指、または親指と四指を使って、対象部位をはさみ、こねる手技です。気血の流れを促し、筋肉や腱をほぐし、痛みを和らげる効果があります。

揉法(じゅうほう)
指腹、手掌、手根、肘部などを使って、対象部位に圧力を加えて、時計回りまたは反時計回りに揉む手技です。内部組織に圧力を与えながら皮膚を動かすことによって、マッサージ効果が得られ、血流が良くなると共に筋肉群をほぐす効果があります。

擦法(さっぽう)
手掌や手根、指球を使って、対象部位を往復方向に動かして、摩擦熱を起こす手技です。体を温かくして気血の流れを促進する効果があります。内部組織に圧力を与えながら皮膚を動かすことによって、マッサージ効果が得られ、血流が良くなると共に筋肉群をほぐす効果があります。

振法(しんぽう)
主に腹部を治療対象に、手を小刻みに揺らして、振動させる手技です。
気血の流れを改善して、胃腸の動きを増進する効果があります。

叩打法(こうだほう)
軽く握った拳の側面、または両方の手掌を合わせた側面を使って、対象部位を叩く手技です。気血の流れを促し、疼痛を軽減し、靭帯や軟骨組織の動きを滑らかにする効果があります。

ばつ法(ばつほう)
親指の指腹、手根、肘などをリズミカルに動かし、筋肉の深層に達するように筋肉を弦のように弾く手技です。血流を良くし、瘀血を取り除き、筋肉の痙攣を抑える効果があります。

抖法(とうほう)
腕または脚を治療対象に、両手で被施術者の手または足をつかみ、引っ張りながら揺さぶる手技です。関節の周りの筋肉を伸ばし、関節部分の血流を良くする効果があります。

揺法(ようほう)
肩、股関節、足首、手首を治療対象に、関節を軸にして環状にまわす手技です。
関節の動きを滑らかにし、関節の痛みを和らげる効果があります。

屈伸法(くっしんほう)
肘、膝、股関節、足首、手首を治療対象に、関節を屈伸させる手技です。
関節の可動を円滑にし、関節組織内の血流を良くする効果があります。

牽引法(けんいんほう)
手、肩、頸部、足、脚を治療対象に、関節の一端を固定し、体幹から離れる方向へ引き伸ばし、関節の間隔を広げる手技です。関節の変位を矯正して関節の運動機能を回復し、痛みを止める効果があります。

扳法(ばんほう)
頸部、背部、腰部を治療対象に、両手を使って施術部を同方向に引きつけたり反対方向に引き伸ばしたりする矯正の手技です。関節の可動性を高める、筋肉の緊張を和らげる、体のバランスを整える効果があります。

<参考文献>
■「実用中国手技療法」基本編/臨床編
  著者:張軍 発行元/発売元:ガイアブックス/産調出版
■「推拿療法」おとなと子どもの治療の徹底マニュアル
  著者:ウエイジョン・サン、アルネ・カプナー 
  発行元/発売元:ガイアブックス/産調出版
■「スイナ式中国整体」
  著者:マリア・マーカティ  発行元/発売元:ガイアブックス/産調出版 他

推拿(すいな)とは?

鍼灸・漢方と並ぶ中国三大医療の一つです。
あらゆる整体法の源流であり、最もバランスのとれた整体法といえます。
推拿の「推」は ”押す” 、「拿」は ”つかむ” という意味で、代表的な手技から命名されています。
手技の種類は多く、”押す”、”つかむ”、”もむ”、”転がす”、”叩く”、”揺らす”などの手技を適切に選択して施術することで、高い効果を発揮します。
ゆがみ、コリ、冷えといった身体上のバランスの崩れた状態を骨格・筋肉・神経・経絡・ツボに刺激を与えることで、バランスのとれた状態に戻して、自律神経を整え血流を良くして、身体を活性化し、人間が本来持っている自然治癒力、抵抗力、免疫力を高めていくものです。